「朝セブン」に見る、外食産業とコンビニが顧客を奪い合う未来

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2017年5月までの期間限定で実施されているセブンイレブンの「朝セブン」。

対象のパンとセブンカフェのコーヒーがセットで200円というこの企画。そのお得感から、最近私も頻繁に利用しています。

同じようなサービスをマクドナルドでも実施していますが、街を歩けば必ず存在するコンビニとは違い、常に手の届くところにはないだけに気軽さでは断然セブンイレブンに分があります。

最近では、ハンバーガーチェーンや牛丼チェーンなどの市場を、コンビニが相次いで参入し、シェアを奪っているように思います。

その証拠に、コンビニ各社は新たな商品開発に余念がありませんし、イートインスペースを設ける店舗なども増えてきて、その思惑は露骨に映ります。

一方で、日用品などのコモディティはコンビニからドラッグストアが取って代わっているように思います。

最近のドラッグストアの急成長は、調剤の強みに加えて、集客のための日用品の安値販売でコンビニからシェアを奪っており、店舗数がコンビニ並みに増え続けています。

コンビニエンスストアの「外食産業化」と、ドラッグストアの「コンビニ化」。

業界ごとの垣根は段々と薄れ、いずれ区分はなくなり競争の時代になる気がしています。
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外食チェーン大手の松屋フーズ(9887)、2期連続の大幅増益達成!とんかつ店が寄与

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5月9日、牛丼チェーンを展開する松屋フーズ(9887)が2017年3月期の決算を発表しました。

平成29年3月期 決算短信


決算の内容は以下のとおりです。

(科目/2016年・2017年(今)・2018年(予))
・売上高/83,947・89,039・93,500(百万円)
・営業利益/3,685・4,831・4,100(百万円)
・経常利益/3,771・5,063・4,150(百万円)
・当期純利益/1,619・2,836・2,250(百万円)
・1株利益/84.98・148.86・118.02(円)
・1株配当/24.0・26.0・24.0(円)


なお、営業利益率は5.4%、ROEは7.9%、自己資本比率は65.0%でした。

今回の決算発表のトピックスとしては、前期に続く大幅な利益の上昇でしょう。

2016年3月期の当期純利益は前期比150.7%増となりましたが、今回の決算では前期比75.2%増とさらなる上昇を果たしました。

この成長をもたらしたのは、松屋が"第二の事業"と位置付ける「とんかつ事業」の急伸です。

「牛丼事業」等がほぼ横ばいの中、「とんかつ事業」は前期比で140.8%と、大幅に成長しています。

確かにとんかつ事業である「松乃家」は、価格や手軽さに比べて提供される料理のクオリティも高いため、つい足を運びたくなるお店で、その成長ぶりについてにも納得です。

唯一、好業績によりなかなか手を出し難い株価になってしまったことは残念ではありますが、2018年は一服という業績予想の松屋が今後上方修正で業績を塗り替えてくれるのではないかと密かな期待しております。

リンガーハット(8200)が2017年2月期の決算を発表、44店舗増で増収増益、増配も発表

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4月14日、外食チェーン大手のリンガーハット(8200)が2017年2月期の決算を発表しました。

平成29年2月期 決算短信[日本基準](連結)


今回発表された決算内容及び来期の見通しは以下のとおりです。

(科目/2016年度・2017年度(今)・2018年度(予))
・売上高/41,129・43,844・45,000(百万円)
・営業利益/2,834・3,284・3,370(百万円)
・経常利益/2,681・3,158・3,250(百万円)
・当期純利益/1,271・1,620・1,680(百万円)
・1株利益/58.53・73.26・67.59(円)
・1株配当/17.0・20.0・20.0(円)


なお、営業利益率は7.5%、ROEは8.5%、自己資本比率は57.3%でした。

長崎ちゃんぽん事業ととんかつ事業の1年間の出退店による増減は、合計で44店舗の増加となっており、今回の決算発表では特に当期純利益の大幅な増加(27.4%増)が印象的でした。

この結果を受けて、今回の決算発表と合わせて配当の増配も発表、上期9円に加えて下期は10円から11円に引き上げられ、通期で20.0円の配当となります。

一方、2018年度については成長の一服を予定しています。
当期純利益は2017年度をかろうじて上回るものの、1株利益については譲渡制限付き株式の発行を予定していることもあってか2017年度を下回る予定です。

唯一無二の長崎ちゃんぽんでは絶対的な地位を築いていますが、とんかつについては老舗の「とんかつ和幸」を筆頭に、牛丼チェーンの松屋も「松乃家」を展開するなど、様々な企業がとんかつをメインにした店舗の出店を進めています。

実際に「濱かつ」を利用してみましたが、和幸と同価格帯の提供となっておりますが、正直なところまだまだ和幸の方が何枚も上手という印象です。

一方、松屋が展開する「松乃家」は1コイン(500円)の定食などのキャンペーンも展開し、従来の「とんかつは高価」という概念を打ち破ろうとして消費者に支持されています。

リンガーハットの今後の成長はとんかつ事業の伸長に懸かっていると言ってもいいと思います。

今後は店舗数の拡大だけでなく、サービスのクオリティの向上にも期待したいと思います。

ドトール・日レスHD(3087)が2017年2月期の決算を発表、増収増益でさらに伸長の見込み

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4月14日、ドトール・日レスホールディングス(3087)が2017年2月期の決算を発表しました。

「平成29年2月期 決算短信」を開示ライブラリーに掲載しました。」


決算無い内容及び来期の予想は以下の通りです。

(科目/2016年度・2017年度(今)・2018年度(予))
・売上高/124,796・126,927・131,000(百万円)
・営業利益/9,466・10,514・11,021(百万円)
・経常利益/9,491・10,675・11,203(百万円)
・当期純利益/5,456・6,050・6,247(百万円)
・1株利益/113.23・126.70・130.83(円)
・1株配当/28.0・30.0・30.0(円)


なお、営業利益率は8.3%、ROEは6.2%、自己資本比率は79.6%でした。

変動の激しい外食業ですが、ドトールコーヒーをはじめとする従来の事業と星乃珈琲店などの新規事業が両輪で上手くかみ合い、順調に業績を拡大させていますね。

その安定性に、面白みに欠けるという人もいるかもしれませんが、安心してじっくり持ち続けられますし、店舗数も多く身近な存在なだけに、長期にわたり株主優待制度を含む恩恵を受けられますので、ポートフォリオのリスクを低減する意味でも是非加えておきたい銘柄です。

地政学的リスクで株価が急落する局面があればぜひ拾いたいところですが、決算もいいですし、なかなかチャンスに恵まれそうにもありませんから、思い立った時に買ってしまった方がいいのかもしれません。

吉野家ホールディングス(9861)が下方修正、前期比割れは辛うじて回避もまたタコ配

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牛丼チェーン大手の吉野家ホールディングス(9861)が、通期の連結業績を下方修正しました。

通期連結業績予想の修正に関するお知らせ


前回予想からの修正については以下の通りです。

(科目/前回予想→今回発表・増減率)
・売上高/193,000→188,623(百万円)・▲2.3%
・営業利益/3,400→1,865(百万円)・▲45.1%
・経常利益/3,800→2,750(百万円)・▲27.6%
・当期純利益/1,900→1,248(百万円)・▲34.3%
・1株利益/29.45→19.22(円)


下方修正をしても前年対比では上回っておりますが、それで良しということはもちろんありません。

何しろどの科目も2桁を超えるマイナスです。

これだけ大きな下方修正になるなら、もっと早く予想されていたはずです。

なぜもっと早く業績の下方修正を発表しなかったのでしょうか。同社の対応には首をかしげます。

そして、今期は1株につき20円の配当を計画しており、このままではまたしてもタコ配(利益以上に配当をすること)です。

株主優待こそ魅力的ではありますが、投資対象としては全く魅力を感じません。

何年も業績不振に喘いでいる同社が復活するすべは、果たしてあるのでしょうか。
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日米の個別銘柄を中心に、債券からリート、ETFからインデックスファンドまで、投資に関する気になったトピックを毎日ピックアップして更新しています。

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