プラント建設大手の日揮(1963)、採算悪化で赤字幅拡大を発表。配当は維持

5月2日、プラント建設大手の日揮(1963)が2017年3月期の業績見通しを下方修正し、従来発表の赤字幅が拡大することを発表しました。
修正の内容は以下のとおりです。
(科目/前回予想→今回修正・増減率)
・経常収益/660,000→690,000(百万円)・+4.5%
・営業利益/▲9,500→▲22,000(百万円)
・経常利益/▲8,500→▲16,000(百万円)
・当期純利益/▲17,000→▲23,000(百万円)
・1株利益/▲67.38→▲91.16(円)
中東で遂行中の石油精製プラントの建設工事と、国内で遂行中の新規分野関連のプロジェクトで、それぞれ採算が悪化する見込みとのことで業績見通しが引き下げられました。国内外でダブルの痛手です。
中東の石油精製プラントについては、労働者のビザ発給が想定外に時間を要した他、建設工事会社の変更の必要性、工事の追加に伴う費用増及び納期の遅れなど、また日本の新規プロジェクトについては設計変更に伴う工事費用増と人員増による費用の増加が要因とのこと。
今回の業績の下方修正は、どちらも計画段階での見通しの甘さから生じた修正だと思われます。
「プラント建設といえば日揮」というほど、新興国などでの難しいプロジェクトでもその遂行能力は大変高いことで定評でしたが、資源開発の後退で採算が悪化し、それに伴いプロジェクト管理面についてもほころびが生じているように感じます。
過去にはテロで犠牲者を出しながらも新興国の発展のために尽力している同社、この10年ずっと応援をしているだけに、今回の正念場を何とか乗り切ってV字回復を果たしてくれるよう切に願っています。
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