原発需要の後退で苦戦の日本製鋼所(5631)、2017年3月期は前期に続き赤字

5月15日、鉄鋼製品を製造する日本製鋼所(5631)が2017年3月期の決算を発表しました。
決算の内容は以下のとおりです。
(科目/2016年・2017年(今)・2018年(予))
・売上高/223,301・212,469・205,000(百万円)
・営業利益/14,423・12,340・12,500 (百万円)
・1株利益/△226.62・△67.61・108.85 (円)
・1株配当/5.0・0.0・25.0(円)
なお、営業利益率は5.8%、ROEは△4.6%、自己資本比率は38.6%でした。
今回の決算発表のトピックスは、前期に続く赤字計上です。
前期に比べて赤字幅は大幅に縮小されたものの、室蘭製作所が保有する固定資産について178億円の減損処理を行ったことにより今期も赤字を計上するに至りました。
日本製鋼所は昔から応援しているいぶし銀なにおいのする会社でして、国を挙げて原発輸出を声高に唱えていた頃は、原発設備に欠かせないシームレス鋼管は同社しか製造することができず注目を浴びました。
その後、東日本大震災における東電の福島原発の事故や、東芝子会社で原発メーカーのウェスチングハウス社の経営破たんなど、同社にとっては逆風が吹き続けています。
それでも来期の予想は1株当たり108.85円の利益を上げる見通しで、復配する予定です。
原発だけでなく、風力発電や兵器まで、なくてはならない製品を作り続ける同社の業績回復を願い、今後の動向を注視していきたいと思います。